5人を育てていても、倒れるときは倒れます。
世の中には、驚くほどパワフルでスタミナに溢れたお母さんがいらっしゃいますよね。
テレビやSNSで見かけるたびに「すごいなぁ……」と、どこか遠い世界の話のように感嘆してしまいます。
残念ながら、私はそんな「肝っ玉母ちゃん」ではありません。 母としてのパワーや要領の良さは、子どもの人数に比例するわけではないのだと、身をもって証明する毎日です。
それはきっと、1人目を産んだ頃からずっと変わっていない私の「素」の部分。
普段はなんとか、自分を騙し騙しやっています。
ときにはお薬を飲み、ときにはカフェオレで自分を奮い立たせ、家事と育児の荒波を渡る日々。
でも昨日、ついに限界がきてしまいました。 腹痛と頭痛が悪化し、完全ダウン。「最強の戦力外」通告です。
そんなとき、わが家はどうなるのか。
独りで5児に向き合うことになった夫と、授乳しかできなくなった私のお話です。
母、ついに完全ダウン
「滅多にないこと」と言いたいところですが、実はそうでもありません。
前回倒れたのは昨年11月、子どもたちが次々にインフルエンザにかかったときでした。最後は私も力尽き、乳腺炎まで併発して……。
そして今回。 はじまりは、一昨日からの腹痛でした。 昨日はさらにひどい頭痛、吐き気、めまいが襲ってきました。
原因ははっきりとは分かりません。
- こっそり一人で食べた卵サンド(…だったのかも?)
- 前日に発熱した次女の風邪(…をもらったのかも?)
- 蓄積された疲れと睡眠不足(…これが本命かも)
2週間ほど前から鼻風邪をこじらせていたところに、日々のストレスやカフェインの摂りすぎが重なったのでしょう。
夕方、なんとか3人を保育園から連れて帰ったところで、限界を悟りました。
「あ、これはもう無理だ……」
ひっきりなしにやってくる頭痛と吐き気。 白旗をあげた私は、自分の体以外、何も守れない状態になってしまいました。
5人育児ワンオペ開始。無双する父
そうなると、大変なのは父親である夫です。
0歳の赤ちゃんに加え、小学1年生の長女、そして保育園児が3人。 バラエティー豊かな5人の子どもたちを一手に引き受けなければなりません。
寝るまでに残されたミッションは山積みです。
夜5時。ポカリスエットを抱えて2階へ逃げ込んだ私。 1階からは、ひっきりなしに物音が聞こえてきます。
子どもたちの泣き声や叫び声。 きょうだい喧嘩の声と、それに雷を落とす父の声。
「申し訳ない……」と思う余裕すらなく、私は意識がもうろうとする中で、ただただ痛みと格闘していました。
後から聞いた話では、1階ではお味噌汁が盛大にこぼれたり、宿題の問題集が全問不正解だったりと、なんとも現実的な「事件」が多発していたようです。
授乳しかできない私
戦力外の私にできることといえば、唯一「授乳」くらいでした。
夫が0歳の末っ子を抱えて、寝室にやってきます。 赤子のお腹を満たすことくらい……と思いましたが、正直、体を起こして10分ほど授乳の姿勢を保つだけでも、今の私には過酷な試練でした。
授乳を終えるなり吐き気に襲われ、トイレへ駆け込む始末。 しかし、ここは大家族。トイレには誰かしらがこもっています。
三女が使用中でしたが、「お願い、代わって!」と大人げなく急かしてしまいました。
その後は、ぐるぐると続くめまいと頭痛のオンパレード。 救急車を呼ぶべきか迷いましたが、ひとまず様子を見ることに。
下の階から聞こえてくる怒声と泣き声。 それを遠くに聞きながら、目を覚ましてはまた眠りに落ちる……その繰り返しでした。
長女から「宿題の丸付けして」「音読のサインして」と頼まれても、ペンを握る力さえ出せません。
夜の9時。いつもの寝かしつけの時間です。 ドタドタと階段を上がってくる子どもたちの足音。
そのとき感じたのは、申し訳なさよりも、深い「ありがとう」の気持ちでした。 まだ頭が痛みながらも、心の中で、ミッションを完遂した夫へ最大限の喝采を送ったのでした。
体調が悪くても、乳腺炎などのトラブルを防ぐために、授乳だけは定期的に続けていました。
子どもたちの反応
戦力外通告を受けた私を横目に、5人の子どもたちは三者三様……いえ、五者五様の反応を見せてくれました。
0歳(末っ子):可愛いだけで、100点満点
普段と変わらず、ニコニコ。赤ちゃんなので仕方ありません。具合が悪くても、その笑顔だけで癒やされる……。存在自体が、今の私への一番の特効薬です。
3歳(長男):甘えん坊全開モード
私がふらふらと1階に降りた瞬間、待ってましたとばかりにべったり。 「抱っこ!」……ごめん、今の母にはそれを受け止めるHPは1ミリも残ってないのよ。白目を剥きそうになりながら、静かに布団へリターンしました。
4歳(三女):あまのじゃくな彼女の、意外な優しさ
普段は意地悪なことを言ったり、反抗したりと手を焼く三女ですが、こういう時は違います。 「おかあさん、おねつだいじょうぶ?」 ……これこれ。これこそが、母が子どもからかけてもらって嬉しい言葉ナンバーワンです。ありがとう三女。さっきの長男の攻撃で折れかけた心が、少しだけ修復されました。そして5人の内一人くらいまともな言葉をかけてくれて、育児に少し自信がもてました。
6歳(次女):安定のゴーイングマイウェイ
全く気にする様子なし。前日に私が必死に看病したはずなのですが、恩恵は一切ありません。薄情……ではなく、彼女なりの「平常運転」なのだと自分に言い聞かせます。
7歳(長女):要求のみを突きつける、クールな現実派
「おかあさん、まるつけして」 半ば死にかけている私の寝室にやってきて、自分の要求だけを淡々と伝えていく長女。 (「大丈夫?」の一言くらい言えんのかい……!) というツッコミを入れる元気すら、今の私にはありませんでした。
さいごに
子育て中のママさん。
倒れてしまったとき、家族の優しさに触れて感動することもありますが、現実は意外とこんなものです。
心配してくれる子もいれば、容赦なく要求をぶつけてくる子もいる。 「ありがとう」と感謝する余裕すらなく、ただただ「早く明日になってくれ……」と祈るだけの夜だってあります。
でも、それでいいんだと思います。 立派な「肝っ玉母ちゃん」になれなくても、戦力外になって布団に潜り込んでも、家の中がどんなにカオスになっても。
私たちは今日を、必死に生き抜きました。 子どもたちのドライな反応にズッコケながらも、なんとか明日を迎えようとしています。
明日の朝、目が覚めたときに、今日よりほんの少しだけ頭の痛みが引いていますように。 そして、冷めたお味噌汁を一口、ゆっくり味わう余裕が持てますように。
今日はお疲れさまでした。 まずは、自分を一番大切にして、おやすみなさい。