初めて子ども食堂へ行こうと思ったのは、夫の言葉がきっかけでした。
「市が提供している支援や制度、使えるものは色々と調べてみたらどうかな?」
私も仕事を退職し、夫も育休に入っている今。
これまでの「気合」で乗り切るスタイルではなく、新しい仕組みを試してみる絶好のチャンスかもしれない。
そう考えて調べていた時にたどり着いたのが、家から歩いて10分ほどの公民館で毎月開催されている「子ども食堂」でした。
「私たちが本当に行ってもいいのかな?」という不安を抱えながら一歩踏み出した半年前。
気付けば今では、なぜ子どもたちだけでなく、私たち親も楽しみな習慣になったのか。
今回は、子ども食堂へ通い始めた理由や、月に一度の参加で私が感じている素直な感想について書いていきたいと思います。

写真で伝えきれないのが惜しいが、見た目以上にどれも美味しくてボリュームがある。
大人200円、こども100円/人
目次
「私たちが、行ってもいいの?」背中を押した3つの偶然
夫の「制度を調べてみたら?」という言葉のあと、私の背中をそっと押してくれたのは、いくつかの偶然でした。
「5人いる今なら」という切実な思い
まず頭をよぎったのは、「子どもが5人いる今の我が家なら、行っても許されるのではないか」ということでした。
これまでは「自分たちでなんとかしなきゃ」と肩肘を張ってきましたが、5人育児の毎日は想像を絶するハードさ。
そんな時、ふと誰かに助けてもらえる場所を探してもいいんじゃないか、と思えたのです。
外食という名の高すぎるハードル
我が家にとって、普通の外食はもはや気軽に楽しめるレジャーではなく、苦行に近いものがあります。
- 移動のハードル…5人を連れてお店に入るだけで一苦労
- 費用のハードル…家族全員分となれば、お財布との相談も深刻
- 時間のハードル…注文から配膳まで、子どもたちを静かに待たせるのが至難の業
- 精神的なハードル… 「騒いだらどうしよう」「お店に迷惑をかけないか」と、常に周囲の視線に神経を尖らせ、食事中も一瞬たりとも気が休まりません。
疲れたから外食しようではなく、「外で食べる=疲れる」という図式ができあがっていた私にとって、子ども食堂は「ここなら行けるかもしれない」という、新しい選択肢に思えたのです。
偶然目にした「ちいき新聞」と「松重豊さんのCM」
そんな時、ポストに入っていた「ちいき新聞」がふと目に留まりました。
市のホームページにもいくつか情報は載っていましたが、私の目に留まったのは、新聞に掲載されていた「子ども食堂」の特集記事。まさに今、自分が探していた情報がタイムリーに飛び込んできたのです。
さらに、テレビをつければACジャパンのCMで、孤独のグルメで馴染みのある松重豊さんが「子ども食堂」について優しく語りかけている姿が。松重さんのあの独特の安心感というか、「食べて応援する」という温かな空気感に触れ、「そんなに難しく考えなくていいのかも。一度、行ってみようかな」と素直に思えたのです。
新聞の記事に勇気をもらい、私はその紙面を片手に、さっそく開催場所へ連絡をしてみました。
私が感じた「4つのありがたみ」
「誰かに作ってもらうご飯」のありがたみ
自分ではない誰かが献立を考えてくれる。
心を込めて調理してくれる。
暖かい状態で目の前に出してくれる。
美味しくないわけがありません。
親になってから日々ノンストップでご飯をつくる毎日の中、誰かが作ってくれるだけでそれは最高のごちそうです。
「自分も一緒に食べる」という贅沢
家での食事は、いつも「ながら」の連続です。
調理をしながら、配膳をしながら、片づけをしながら。
そして食事中も止まらないアクシデントに対応しながら、合間を見て食事をするのが常です。
けれど、子ども食堂では、私も子どもたちと一緒に食卓に並ぶことができます。
隣に座る我が子の「おいしいね」という声を聞きながら、同じ食卓を囲めること。
それが、私にとっては最高に贅沢な時間なんです。
「大人と会話ができる」=心にできるゆとり
子ども食堂へ行くと、スタッフさんやボランティアの方々と「今日のご飯、美味しいですね」「最近どうですか?」といった、ごく普通の会話を交わすことができます。
育児の悩みを聞いてもらうような大げさなものではなく、本当にちょっとした雑談です。
けれど、そんな「大人同士のやり取り」があるだけで、ずっと育児モードだった頭が切り替わり、自然とゆとりが生まれるのです。
④「自分以外の目」がある安心感:
子ども食堂には、スタッフさんやボランティアの方々、あるいは地域の方々の「温かい目」がたくさんあります。
私が少し食事に集中して目を離しても、誰かが子どもに「美味しい?」と声をかけてくれる。
子どもが少し席を立っても、誰かが優しく見守ってくれている。
「自分一人で全員を守らなきゃ」という肩の力がふっと抜けて、心に余白が生まれるような、何物にも代えがたい安心感があります。
5児ママだからこそ感じる「心のゆとり」
子ども食堂のテーブルでも、いつもの我が家の光景が繰り広げられます。
- 食事の途中で、案の定ゴロンと寝転んでしまう長男。
- まだ半分も食べていないのに、「いちご、もう食べていい?」とデザートに目がいく次女。
- 「おかあさん、たべさせて〜」と、ここぞとばかりに甘えてくる三女。
家だったら、いつもだったら、「ちゃんと座って!」「まずはご飯でしょ!」と、つい角が立ってしまう場面です。
けれど、ここでは不思議と「っもう……。まぁいっか、たまには」と笑って流せる自分がいます。
そう思えるのは、スタッフの方々の優しい眼差しや、会場全体を包む「子どもは騒ぐもの、甘えるもの」という温かい空気感に包まれているからに他なりません。トゲトゲしていた私の心が、丸くなっていくのを感じる瞬間です。
おわりに:迷っているママへ
家の中で一人で踏ん張るだけが、お母さんの仕事じゃない。 時には外の手を借りて、誰かが作ってくれたご飯を食べて、笑って帰る。 そんな「上手に頼る」という選択をすることが、結果として家族の笑顔を守ることにも繋がるのだと、今は確信しています。
もし、今これを読んでいるあなたが「私なんかが子ども食堂に行ってもいいのかな」と迷っているなら。 どうか一度、その扉を叩いてみてください。
「美味しいね」と隣で笑う子どもの顔を見て、温かいご飯を飲み込んだ時。 きっと、肩の力がふっと抜けて、「明日からまた頑張ろう」と思える自分に出会えるはずです。
月一回のこの習慣が、今の私を、そしてこれからの私を、そっと支えてくれています。