妊娠・出産・産後

断乳スケジュールと薬の落とし穴。5人の母乳トラブルを経験して見つけた、心と体の『折り合い』の付け方

5児母
5児母

もう、今すぐやめたい。

夜中にガチガチに張った胸の痛みと戦いながら、暗い部屋で何度そう涙したかわかりません。

2018年に長女を出産してから、5人の子どもたちを授かり、育ててきたこの8年間。
振り返れば私の日常は、妊娠、出産、そして授乳トラブルとの「繰り返しの歴史」でもありました。

分泌過多な体質のせいで、どの子の時も必ずと言っていいほど詰まり、乳腺炎の恐怖に怯える日々。

特に上の4人の時は、1.5歳差で続く育児の荒波の中、職場復帰や行事に合わせて「断乳」という大きな壁を、毎回必死で乗り越えてきました。

でも、5人目の末っ子が9ヶ月を迎えた今。 私は人生で初めて、授乳期間の「最長記録」を更新しています。

これまでは「仕事だから」「予定があるから」と外的な理由で終わらせていた授乳。 けれど今回は、フリーランスという働き方を選んだこともあり、ようやく授乳という時間の「本当の姿」に出会えた気がするのです。

5人産んで、5回繰り返して、ようやく「やりきった」「もう、いつ終わりにしてもいいんだな」と思えるようになった私の、泥臭い授乳と断乳の記録をここに残しておこうと思います。

今、トラブルで泣いているママへ。 いつか来る「最後の日」を、笑顔で迎えられるヒントになれば幸いです。

【4人の断乳パターン比較表】母乳トラブルと戦った私の記録

私のこれまでの断乳は、常に「期限」と「トラブル」との戦いでした。

振り返って思うこと:母乳トラブルと歩んだ4回の断乳

「5〜6ヶ月」という壁
これまでは、職場復帰などの「期限」に背中を押されるように断乳を決めてきました。分泌過多の私にとって、半年という月日は一つの大きな区切りであり、体力的にも精神的にも、そこが限界だったのかもしれません。


私なりの「共通の攻略法」
どの子の時も、信頼できる母乳外来の先生と二人三脚でした。産婦人科で相談して処方していただいた、分泌を抑制するサポートのための薬(カバサール)をお守りに。
とはいえ、薬を飲めばすぐに解決するわけではありません。お産に匹敵するほどの痛みと戦いながら、少しずつ手で搾って張りを取り、時間をかけて身体を閉じていく……。2週間ほどかけて、心と体の「折り合い」をつけていくのが、トラブルを繰り返した私が行き着いた鉄板のスケジュールでした。


5人目にして見つけた、新しい景色
そんな私が、今、5人目にして生後9ヶ月を超えています。それは、「いつでもやめていい」という逃げ道を作ったからこそ辿り着けた、新しい授乳の形でした。

【重要】断乳中の薬の落とし穴:知らずに飲んだ「ドンペリドン」事件

これまでの断乳は、母乳外来の先生と計画を立て、薬を服用して進めるのが私の鉄板パターンでした。しかし、三女の時に思いもよらない落とし穴にはまったことがあります。

断乳中に襲った「体調不良」

三女の断乳を決意し、順調に分泌が減り始めていたときのこと。慣れない断乳のストレスもあったのか、激しい吐き気に襲われ、内科を受診しました。そこで処方されたのが、一般的な吐き気止めである「ドンペリドン(主な商品名:ナウゼリンなど)」でした。

「良かれ」と思って飲んだ一錠が、悪夢の再来

すでに授乳を止めて数日経っていたので、何の疑いもなく服用しました。ところが、すぐに異変が現れます。止まりかけていたはずの母乳が、再びじわじわと分泌され始めたのです。
せっかく痛みに耐えて身体を閉じる方向へ向かっていたのに、ダムが崩壊するように胸が張り出し、激痛が戻ってきました。

ドンペリドンの意外な副作用

後から調べて分かったことですが、ドンペリドンには「プロラクチン(母乳を出すホルモン)」の値を上昇させる副作用がありました。
実はこの薬、母乳不足に悩むママに対して、医師の管理下で分泌を促す目的で使われることもあるほど。断乳中の私にとっては、まさに「火に油を注ぐ」結果となってしまったのです。

振り出しに戻る絶望と、二度目の断乳

結局、再度婦人科へ駆け込み、もう一度「カバサール」を処方してもらうことになりました。一度止まりかけたものを無理やり再開させ、また止める。身体への負担も、そして「またあの痛みをゼロからやり直すのか」という精神的なダメージも、相当なものでした。

断乳中に婦人科以外の病院を受診する際は、必ず「今、断乳中で分泌を抑える薬を飲んでいます」とお伝えすることをおすすめします。ホルモンバランスは本当に繊細。私のような二度手間の苦しみを味わわないよう、薬の飲み合わせには注意してください。

5人目にして出会えた、魔法の言葉。私の「授乳メンター」が教えてくれたこと

私は5人の出産と授乳を経験していますが、決して「賢いママ」でも「器用な母親」でもありません。毎回のように乳腺炎に怯え、食べるものも飲むものも怖くなり、泥臭く、必死に授乳と向き合ってきました。

そんな私のボロボロな授乳期を、長女の時からずっと支えてくれている一人の助産師さんがいます。

どん底で救われた「よく頑張ってきましたね」

長女の授乳中、母乳トラブルでいくつもの母乳外来を転々としていた私。心身ともに限界だったとき、最後にたどり着いたその助産師さんは、私の目を見てこう言ってくれました。

「ここまで本当によく頑張ってきましたね」

周囲のアドバイスに振り回され、自分を責めていた私の心が、その一言ですっと軽くなったのを今でも覚えています。私がそのとき一番欲しかった言葉だったのかもしれません。それ以来、次女、三女、長男……と、私の断乳には欠かせない、まさに「授乳期のメンター」となりました。

7月の限界。「いつでもやめていい」という助言

5人目の授乳中だった今年7月。頻繁に詰まりを繰り返し、ついに心が折れそうになったとき、私は迷わず彼女に電話をしました。その時、彼女がくれた言葉が、今の私の支えになっています。

「大丈夫です。やめるのは、いつでもできます。あとは5児母さんが『もういいかな、終わりにしよう』と思ったタイミング次第ですよ」

私のこれまでの戦いを知っている彼女だからこそ、あえて「続けなきゃ」ではなく「やめてもいい」と言ってくれたのです。

「戦略的準備」がくれた心のゆとり

彼女の提案で、まずは婦人科で薬(カバサール)をもらっておくことにしました。「いつでも終わりにできる準備」が整った瞬間、不思議なことに、あんなに怖かった授乳の時間が少しだけ穏やかなものに変わりました。

「明日やめてもいい。でも、今日だけはあのごくごく飲む姿を見ていよう」 そう思って一日一日を積み重ねた結果が、生後9ヶ月という自己最長記録に繋がっています。

授乳の期間や形は人それぞれです。

最初から「あげない」という選択をする方もいれば、お薬との兼ね合いで「あげられない」方もいます。反対に「3歳頃までゆっくりあげていたよ」という方も。

何が正解というわけではなく、その時々の環境や、お母さんと赤ちゃんが選んだ形が、その家族にとっての正解なのだと思います。

5児母
5児母

【まとめ】長いトンネルの先に見えた、私だけの「合格点」

振り返れば2018年から始まった、私の長く暗い授乳のトンネル。 1.5歳差で続く育児の荒波に揉まれながら、常に乳腺炎の恐怖と隣り合わせで走り抜けてきました。

今回の記事で、私が本当にお伝えしたかったことは3つです。

ポイントまとめ

  1. 断乳は「逃げ」ではないこと: 職場復帰や体調不良、そして私のような「薬の失敗談」も含め、どんな理由であっても、母と子が納得して選ぶ道はすべて正解だと思います。
  2. 「お守り」を持つ勇気: 助産師さんが教えてくれた「いつでもやめていい」という言葉。それは決して無責任な放任ではなく、自分を追い詰めないための「戦略的なゆとり」でした。
  3. 泥臭い自分を認めてあげること: 5人を育てていても、私は最後まで「賢いママ」にはなれませんでした。でも、トラブルと折り合いをつけながら、一歩ずつ進んできたこの「泥臭さ」と、何より辛い授乳期を経て、元気に育っている子どもたちの今の姿こそが、私の誇りです。

「はやくちょうだい!」と言わんばかりに、大きく口を開ける赤ちゃん。
飲み終えたあとの、なんともいえない満足げな笑顔。

この「命のやり取り」を間近で感じられる時間は、親にとってかけがえのない、ご褒美のようなひとときです。

そして、残り限られた期間だからこそ、きっとあとで振り返ったときに、今この時がどれほど幸せだったかを知ることになるのではないかと思うのです。

妊娠、出産、そして産後……。 終わりの見えないトンネルの中で、今まさに独りで泣いているママへ。

どうか、今のままの自分に「合格点」をあげてください。 「いつでもやめていいんだよ。あなたはもう、十分すぎるほど頑張っているんだから」

その言葉が、あなたの心を少しでも軽くし、いつか来る「最後の日」を笑顔で迎えられるお守りになることを、心から願っています。

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5児母

生まれも育ちもずっと千葉県。
三姉妹と二兄弟、5人きょうだいの母。
産後の食欲が止まらず、
心も身体も緩みっぱなしの38歳。

2018年からの7年間で5人を出産。
年子・多子育児の中で、時間と体力の
やりくりを日々試行錯誤してきました。

昨年、勤続15年の会社員生活に区切りを
つけ、現在は新しい働き方に挑戦中。

5人育児で実際に試してきた時短の工夫、
育児グッズの活用法、家計と時間の整え方
などを、実体験ベースで発信しています。

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