
読者の皆様へ
この記事に記載している授乳方法や体調管理については、あくまで私個人の5児育児を通じた体験談です。授乳のスタイルや母乳の分泌状況、お子さんの成長には個人差があります。授乳に関する悩みやトラブルがある場合は、ひとりで抱え込まず、助産師さんや医師などの専門家に相談してください。
お母さんはどうやっておっぱいあげてた?
いつか、わが子たちが親になったとき、そんなふうに聞かれる日が来るかもしれません。その時、私はきっと少し困った顔をして、こう答えるでしょう。
……ごめんね、正直に言うと、全く覚えていないんだ
これが5人を育ててきた私の、偽らざる本音です。
あんなに寝不足で、
あんなにおっぱいが痛くて、
あんなに必死に抱きしめていたはずなのに。
不思議なことに、断乳や卒乳を迎えてその役目を終えた瞬間、あの独特な感覚やリズムは、驚くほど記憶の彼方へ消え去ってしまうのです。
現在、生後9か月の次男。私にとって5回目の授乳生活。 これまで4回の断乳を経験し、再びこの時間が始まったとき、私はようやく思い出したのでした。「あぁ、そうそう。たしか、こんな感じだった」と。
今回は、現役の「今」しか書けないこの感覚を、形にして残しておこうと思います。
決して平坦ではなかった道のりと、5人目にして辿り着いた私なりの授乳スタイルについて。
目次
研ぎ澄まされた「今だけの時間」。5人目ママのこだわり
世の中には、どんなに賑やかな場所でも、テレビがついていても、さらりと上手に授乳できるママさんもたくさんいらっしゃいますよね。尊敬します。そして羨ましくも感じます。ただ、私の場合は少し違います。5人目であっても、いえ、5人目だからこそ、授乳の時間は自分なりの「儀式」のように、感覚を研ぎ澄ませるスタイルに落ち着きました。
五感で聴く「ごくごく」という音
できるだけ音のない静かな場所で、次男が「ごくっ、ごくっ」と力強く飲み込む音、そして母乳が流れ出る微かな音に耳をそばだてます。
この音に集中するのは、母乳が勢いよく湧き出ているタイミングを逃さないため。 その勢いに合わせて、指の腹で少し心配な箇所(しこりになりそうな部分)を軽く押さえながら飲ませることで、「あ、今スムーズに流れていっているな」と実感できるのです。
私にとってこの時間は、次男と一緒に「上手に飲み切る」ための、静かで大切な連係プレーのようなものかもしれません。
指の腹で探る「セルフチェック」
授乳中、私の指の腹は常に乳房の表面を這っています。「ボコッ」としたしこりや違和感がないか。トラブルの予兆をいち早く察知するための、私なりのルーティンです。
iPhoneの「アナログ時計」を相棒にする理由
授乳時間は日によって、また左右によっても「まちまち」です。だからこそ、iPhoneのストップウォッチアプリを「アナログ表示」にして計測しています。 デジタル数字を追うよりも、時計の針がどれくらい進んだかを視覚的に捉える方が、今の進み具合を「体感」として一目で把握できるからです。

分泌差という「一抹の不安」との向き合い方
私の悩みは、左右の分泌バランスに差があること。特に左の方が溜まりやすく、いつも授乳のたびに小さな葛藤が生まれます。
勢いのあるうちに左から吸わせるべきか、それともバランスを考えて右からにするか。右からあげて、左に移ったときにもう飲まなくなったら困るし……
そんな不安を抱えながら、かつて経験した乳腺トラブルの苦い記憶もよぎります。幸い、生後9か月を迎え、今のコンディションはこれまでで一番安定しています。 生まれた直後は左右2分半ずつが限界だった短い時間も、今では片方7分ほど。その後にもう片方をしっかり飲むこともあれば、全く受け付けない時もある。次男のペースに合わせつつ、油断せずケアを続けています。
飲みムラを防ぐ、私なりの「縦抱き」スタイル
第2子の出産の際、産院で教えてもらった「縦抱き」が私の定番スタイルです。 授乳中、赤ちゃんの首を後ろから支える手と、乳房を根元から支える手を、途中でスッと交代させます。こうして支える位置を入れ替えることで、赤ちゃんの吸いやすさを保ち、最後までしっかり飲んでもらえるよう工夫しています。
【5人育児のリアル】次々に現れる、愛すべき「お邪魔虫」たち
そんな集中したい授乳タイムですが、わが家には個性豊かな「お邪魔虫」たちが忍び寄ります。
誰かが入ってきた気配を感じた瞬間、次男はパッと口を離し、ひょこっと顔を覗かせて確認。お兄ちゃんやお姉ちゃんと目が合って「きゃはっ!」と笑い合う。 母の「上手く出し切りたい!」という気合をよそに、授乳タイムはいつも、賑やかな大家族の日常に飲み込まれていくのです。

まとめ|いつか「覚えていない」と言う日のために
授乳の形は人それぞれです。
どんな形であれ、そこには一筋縄ではいかない苦労と、ママとお子さんだけの物語があります。
5人目の授乳生活も、きっとあと数ヶ月。
終わってしまえば、この「ごくごく」という音も、指先に伝わる感触も、全部忘れてしまうのでしょう。
だから今日、この記録をここに置いておきます。
いつか子どもたちに聞かれたとき、この記事を読み返して、「幸せな時間をありがとう」と、話せるように。